「というか、なんでナツメ君って知ってたの?ちぃちゃん」



「え、やっぱりデートしたの!?」



「だからぁ、デートじゃないの!」



話が噛み合わないままの言い合いが続く。
確かに二人で電車に乗って二人で星を眺めた。一見、付き合ってるカップルがしそうな遊び方。

だけどこれはナツメ君のやりたいことの手伝いなわけで、たかが友達の私にナツメ君はなんの感情も抱いてない。



「はぁ」



無意識にため息がでる。

十年前の素直な恋心が今は羨ましいとすら感じてしまう。



「紫音が恋煩いだ」



「え、だからただ星友達として行ったんだからね?ナツメ君はそんなんじゃ…ないよ…」



尻すぼみになるのは、何かを期待してしまっているからだ。