「お待たせ」



私が待ち合わせ場所に着くともう既にナツメ君は着いていたようだ。
高校の最寄り駅、私たちが乗る電車とは違う電車に乗り換えるポイントだからここで待ち合わせにしたのだ。

決めたのはナツメ君だけど…


私の最寄りはここの駅から7つも離れているから雰囲気も大分変わる。ここの空じゃ星は見えないなって思うほど高層ビルが威圧する空。

一年中どっかで工事をしてるし、道路も片道3本もの車道がある。

つまり、何が言いたいかって人が花粉のように湧いている。
そんな凄まじい人の中ですぐナツメ君を見つけられたのは、その人達が二度見するから。

今も注目されているのにも関わらず、私にニッコリと微笑まないでほしい。


余計に注目が…。



「待ってないよって言ったらモテる?」



「そこは今来たとこじゃない?」