「あ、そだ!」


「むしぃ…?」



彩葉ちゃんは華麗にスルーを決め込んでしまう。
そんな所までサバサバしなくてもいいんだよ。

やたらと広いリビングだから夏場でも結構肌寒いのに今はやたらと暑くて思わず窓を開ける。



「明日、ナツメ誕生日だからね」



「え?」



「ほら、夏休み前って言ってたでしょ。私この前その話たまたましてたから」



ナツメ君と彩葉ちゃんが話しているところを想像して、美男美女でお似合いだなっなんて簡単にカップリングしてみた。
そしたらなんか胸の奥がモヤモヤした気持ちにかられて嫌なことを言いそうになる。

普段そんなこと感じもしないのに、なんなんだろう。