「これ、相当古くてコツさえわかれば誰でも開けられるんだよ」



どうやらナツメ君も開けられるようです。

忘れかけていたが、この人達クラスのトップをはれるキラキラ集団だった。


そうして開いた扉からみんなで外に出る。

夏特有の湿った温度。
微かに聞こえる鈴虫の声。
熱風の中にある水蒸気。

一気に外に出たという感覚と月がより私達を照らして夜景で顔が見えるようになった。

携帯の明かりをみんな消して、屋上の中央まで歩く。



「フェンス越しでも一寸先は闇だね」


「だから、夜は来ちゃいけないんだよ」



長谷川君は「俺ら出ちゃってるけどね」と笑う。



その時、


ヒュー……ドォンッ!バンッ!ド、ドンッ