「病気のこと?」



「ちょっと違うニュアンス。死ぬやつなんて相手にするなよって。全てを見据えた笑でな」



やっぱり、ナツメ君はそういう人なんだ。
飄々と立っているようで足元はおぼつかない。
不器用なのを隠すことだけが器用になってしまう。



「そっか」



「あっさりしてんな」



あっさりしてるのだろうか。
頭の中ではナツメ君のことばっかり考えているのに言葉に出たのはごく僅かで…
言葉に出来ないのは全て夢なんじゃないかと形にしなきゃ全部無くなってくれるかもって思ってるからかな。



「ただナツメ君は本当に死ぬのかなって思っただけだよ」



「……」



私の真っ向からの言葉に悠君は何も返さなかった。
それが答えなんだろう。


ドンッド…カン……!



外で地響きのような音がした。