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え?
わたしとお兄ちゃんは驚いて開いた口が塞がらない。
「どーし」わたしが聞こうとすると、それを遮るように
「お兄さんが叶えてあげられないのなら、僕がなづなさんの約束を守ってあげたいんです。岸本...いや、なづなさん、お兄さんのサッカー見に行く時が一番楽しそうなんです。だから、お兄さんの代わりに今度は僕が叶えてあげたいんです。」
そして、続けて言う。
「簡単じゃないことは分かってます。でも、どーしても、なづなさんには、諦めて欲しくないんです。お願いします。僕にサッカーを教えてください。」
桑原は深々お辞儀をする。
この人は何を言ってるの?
なんで、わたしのためにここまでできるの?
そんな、簡単なことじゃないんだよ?
わたしはそんな気持ちになった。でも、桑原の顔は今までに見たことないくらい真剣で...
そんな顔を見ていたら、わたしも諦めたくない気持ちが溢れて来た。
お兄ちゃんとの約束。叶えられるなら叶えたい!最初から決めつけてしまっては、何も始まらない。
信じてみていい?
わたしもまた、サッカーの応援しに行っていい?
すると、それを察したように桑原が
「岸本の約束守りたい。信じて。岸本。」
と言って来たのだ。
その顔を見てわたしも、
「お兄ちゃん!お願い!わたしもお兄ちゃんとの約束守りたい!」
と深々とお辞儀をした。
「....」
しばらく、黙ってたお兄ちゃんは
「わかった。でも、僕みたいに足を痛めたりどこか怪我したりすると思うよ?その覚悟はできてる?」
「はい!出来てます!」
「わかった。君にサッカーを教える!どうか僕たちの約束を守ってほしい。」
お兄ちゃんはそう笑って告げた。
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