彼と私が出会ったのは夏休みが明けたとても蒸し暑い朝のこと。




これから何が起きるかなんて知る由もない私は



翼くんといつものようにたわいもない話をしていた。





「はぁ、だりぃ、夏休み終わるの早すぎだろー。なぁ柚姫?」






翼くんが心底だるそうな顔で語りかけてくる。






「そーかな?私は長く感じたけどー?」




もうあの宿題の量と言ったら…


早く解放されたくて


いつまで地獄が続くのか心配だったよ…





「はぁ?嘘だろ?柚姫ー。」





信じられないという顔で翼くんが目を見開いている。





「あはは、ほら、翼くん、先生来たよ?」





丁度いいタイミングで教室のドアが開き、先生が入ってきた。





「はぁ、だりぃ、」