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それから私は嫌というほど月咲に躾直され泣かされた



その時間はとても苦くて、でも目眩がするほど甘ったるかった。




「ぐすっ、うっ、ごめんなさい。」





頭がクラクラしてもう何が何だかわからない。





「ふっ、柚姫が誰のものかわかったかな?」







私は何度もこくこくと頷く







「それは良かった。今度からは気をつけてね。

別に話すとかならいいんだけど抱き合うのはなしね。」





うん。もう絶対しないよ。






「うん。ごめんなさい。」







「分かったならいいよ。」







そして月咲はよしよしと頭を撫でてくれる




きもちい…




それに私は身をゆだねながら眠りに落ちようとした時







「ねぇ、俺、喉かわいっちゃった」







「柚姫のちょーだい。」





月咲ふふっと微笑む。





「うん。」







私は首筋が見えやすいように髪を後ろへどけて首を傾ける







「いただきます。」








カプッ







「いたっ、あっ…んっ…んん…」








ジュルッ ジュルッ







「あぁっんっ…」








あぁ、それからもうひとつ。





彼は人の血を吸って生きるいわゆる吸血鬼(ヴァンパイア)だ。






もう一度言っておく。






完璧なんて存在しないんだ。