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時はお昼休みに遡る。





「おーい。柚姫〜」





翼くんが私に駆け寄ってくる。





「あっ、翼くん!どうしたの?」







翼くんは私の幼稚園からの幼馴染で、すごい美形さん



すっごーくモテるんだよ!



でも何故か最後は振られちゃうんだ



それが小さい時からの疑問






「ちょっと聞いてくれよー。また彼女に振られた〜」







ほら、また振られちゃったみたいだよ?



すごくいい人なんだけどなぁ



また疑問が重なる。





「んー。なんでだろー。」








「ふっ、もう俺には興味ないんだとよ。」





翼くんはげんなりした表情で苦笑いを浮かべている。





「え!そんなの酷い!」







「だよなぁ?」







「でも絶対見つかるよ!翼くんの運命の人!

トライだよ!翼くん!」





そうだよ。絶対、翼くんには運命の人がいるんだ!





「ふはっ、そう言ってくれるの柚姫ぐらいだぜ!」








そう言って翼くんは私にガバッと抱きついてきた。







「ちょっ、翼くん、苦し〜!!!!」








「ほらほら、そこの偽装カップル〜。

もう!柚姫!また王子に怒られるでしょ!」





そんなことを言われようとも翼くんは手を緩めてくれない。



むしろ強くなってる!!!





「だって翼くんが離してくれない〜!苦しーってぇぇ〜!」





息止まっちゃう!力強すぎだよ。





「悪ぃ、悪ぃ、お前には王子がいたなそれじゃ!またな柚姫!」





そう言って翼くんはいたずらっ子みたいな笑顔でニカッと笑ってどこかへいってしまった。




「ふぅ…死んじゃうかと思った。」