そして直美ちゃんと共に目の前に現れたのはまばゆいほどに光を放つ純白のウエディングドレスだった。

レースの袖がとても上品で、スカートはボリュームがあり、ビーズ刺繍がかわいらしい。

これ全部、直美ちゃんが作ったの…か…?

てゆーか、お願いって何だろう、もしかして最後の仕上げが終わってないから手伝ってほしいとか??

え、無理ですよ?!裁縫できないし!!これは絶対断るべきだ、うん、それが賢明だ、

『あの、直美…ちゃん?私、裁縫苦手だし、それは無理…』

『え?』

直美ちゃんは一瞬驚いた顔でそう言うと、急に笑い出した。

『あ、あはははっ!いやいやそれは勘違いしてるっ!ハルちゃんが裁縫できないのは前々から存じ上げおりますっ!』

『え?じゃあ何なの?お願いって』

『これを着て!!』

食い気味じゃん…

『…はい?!!え、何で私?!嫌だこんなの私が着たらこんな花嫁は嫌だみたいになる!!』

『なーらない!!!これ着てもらう人の体型が限りなくハルちゃんに近いの!お願いっ!あ、着てくれたら今度良い写真スポット教えてあげる!』

『え!それほんと!!?』

写真スポットにすっかりつられてしまった。でも、部活のため…なら…。
ちなみに私は写真部に入っている。私自体、綺麗な景色や趣きがあるものが好きだし、あまり目立たなさそうだからという理由で入った。

なんてどうでもいいよね!!それより私があの美しいドレスを、私にはミスマッチなドレスを着る羽目になるなんて…!!!

『お!つられたぞ!そうときたら早速着よう!さっ、制服脱いで!』

直美ちゃんは生き生きしている。そして無理矢理制服を脱がされ、ドレスに腕を通される。

『うっ…え、いやぁぁあぁ!!!』