「失礼します、大巫女様。」
そう言って美優は扉を開けた。
七海は不思議そうに言った。
「大巫女様?」
「俺たちの親みたいなものだよ。」
そう言って隼人は全員が入ったのを見て扉を閉めた。
そして七海を降ろした。
「ここでは肩車してやれないけどいいか?」
「平気だよ。」
そう言って美優たちに七海はついていった。
奥まで進んで足を止めた。
「ただいま戻りました。」
「うん、おかえりなさい。」
奥の方から声が聞こえた。
美優は七海を呼んで前に来させた。
「この娘が例の娘です。」
「そう……。」
七海は声のするほうを不思議そうに見ていた。
「名を名乗りなさい。」
「七海…。」
「歳は?」
「もうすぐ5つになる。」
「そう。」
七海は不思議そうに見ていた。
しばらくして奥から音がした。
美優たちは片膝をついて頭を下げた。
「美優、そんなに固くならないで。」
そう優しい声が響いた。
「そんな訳にも参りません。」
美優たちが顔をあげないのを不満そうに声は響いた。
「私は気にしないし、上はいま外出してるし。」
それを聞いて美優たちは頭をあげ、立ち上がった。
「それを早く言ってほしかった。」
「上は悪い人ばかりじゃないよ。」
「堅苦しいから苦手なだけ。」
「美優?」
七海は不思議そうに美優を見上げて服を引っ張っていた。
美優は七海を見て、目線を合わせていった。
「ごめんね、わかんないよね。」
「…美優は怖いの?」
「そうじゃないよ。」
「まぁ、不安になるのもわかるけどね。」
声は七海のすぐ近くで止まった。
七海は顔をあげて言った。
「だぁれ?」
「私は12代目大巫女の真優。そこにいる美優の双子の姉だよ。」
そう優しく答えた。
だが、七海は指を指してこう言った。
「あなた、ただしきもの?」
瞬間、大気が震えた。