「確かこっちだ・・・」
エイジはどんどん勝手に駅とは逆方向に歩いていくので、どこに向かっているのかなと思う。
「どこ行くの?」
「哲学堂公園」
ああ、あのさくらの名所の公園だって思ったら、初めて会った日のことを少し思い出してしまった。
そういえばあの時以来だ、一緒に手を繋いで外を歩くのは・・・
「ここ昔、親父につれてきてもらった気がする。」
そんな風に言いながら、薄暗い公園のベンチに座って、私達は話し出した。
「彼女ほんとにできたんだね、おめでとう。」
心にもないことを言ってしまう。
「それ本心かよ?」
エイジは心のない言葉にすぐ気がついたようだった。
「いいじゃん、私みたいな汚い女より、あんなに可愛いくて純潔そうな彼女が出来てさ。」
そういうと、あいつはそんなんじゃないってハッキリという。
「リンダは汚くないよ、ずっと綺麗だよ。」
初めてそんなことを言われて、私はどうしていいかわからなかった。
「ずっと思ってた、どんな男とやってるか知らないけど、リンダは何だか綺麗だなって。
親父ともそうだったんだろ・・・」
まだそんなことを言っているので、おかしくなる。
「鉄さんは尊敬してるけど、恋愛感情はないよ。ずっと昔から。
ただのファンだからね・・・」
「何だよそれ・・・」
初めて本当のことを口にすると、何で教えてくれなかったんだって俯いてしまった。
「エイジは綺麗だから、私にはつりあわない。」
だけど、一緒にいたかったんだよ・・・
「俺、ずっと好きだったんだぜ、ちゃんと言えなかったけど。」
「知ってるよ・・・」
ずっと言わせなかったのは、私だもん。
周りには、桜の木が葉桜も終わり秋の準備をしているようだった。
もうすぐ枯れ木になっていくんだろう・・・
だけど私は、春には満開のさくらの花が咲くことを知っている。
花のない木々を見上げながら、そんな風景を思い描いた。
「ずっと楽しかったな・・・エイジと一緒に居れて、今までありがとうね。」
「俺もずっと楽しかったよ一緒にいるときは。別れるときはめっちゃ切なかったけど・・・」
そうだね、いつもエイジは泣いてばかりだったよね・・・
最後の涙を思い出してエイジの顔をじっと見つめた。
もう触れることもキスをすることも許されないんだなと思うと、ただ見つめているだけで切なくて、
「初めてだな、リンダが泣いてるの・・・」
いつの間にか頬に涙が伝っていて、それを優しくぬぐってくれるけれど、私はその手をそっと振りほどいた。
エイジはどんどん勝手に駅とは逆方向に歩いていくので、どこに向かっているのかなと思う。
「どこ行くの?」
「哲学堂公園」
ああ、あのさくらの名所の公園だって思ったら、初めて会った日のことを少し思い出してしまった。
そういえばあの時以来だ、一緒に手を繋いで外を歩くのは・・・
「ここ昔、親父につれてきてもらった気がする。」
そんな風に言いながら、薄暗い公園のベンチに座って、私達は話し出した。
「彼女ほんとにできたんだね、おめでとう。」
心にもないことを言ってしまう。
「それ本心かよ?」
エイジは心のない言葉にすぐ気がついたようだった。
「いいじゃん、私みたいな汚い女より、あんなに可愛いくて純潔そうな彼女が出来てさ。」
そういうと、あいつはそんなんじゃないってハッキリという。
「リンダは汚くないよ、ずっと綺麗だよ。」
初めてそんなことを言われて、私はどうしていいかわからなかった。
「ずっと思ってた、どんな男とやってるか知らないけど、リンダは何だか綺麗だなって。
親父ともそうだったんだろ・・・」
まだそんなことを言っているので、おかしくなる。
「鉄さんは尊敬してるけど、恋愛感情はないよ。ずっと昔から。
ただのファンだからね・・・」
「何だよそれ・・・」
初めて本当のことを口にすると、何で教えてくれなかったんだって俯いてしまった。
「エイジは綺麗だから、私にはつりあわない。」
だけど、一緒にいたかったんだよ・・・
「俺、ずっと好きだったんだぜ、ちゃんと言えなかったけど。」
「知ってるよ・・・」
ずっと言わせなかったのは、私だもん。
周りには、桜の木が葉桜も終わり秋の準備をしているようだった。
もうすぐ枯れ木になっていくんだろう・・・
だけど私は、春には満開のさくらの花が咲くことを知っている。
花のない木々を見上げながら、そんな風景を思い描いた。
「ずっと楽しかったな・・・エイジと一緒に居れて、今までありがとうね。」
「俺もずっと楽しかったよ一緒にいるときは。別れるときはめっちゃ切なかったけど・・・」
そうだね、いつもエイジは泣いてばかりだったよね・・・
最後の涙を思い出してエイジの顔をじっと見つめた。
もう触れることもキスをすることも許されないんだなと思うと、ただ見つめているだけで切なくて、
「初めてだな、リンダが泣いてるの・・・」
いつの間にか頬に涙が伝っていて、それを優しくぬぐってくれるけれど、私はその手をそっと振りほどいた。


