お前は俺だけのもの


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\ 凪 Side /



ずっとずっと、怖いと思っていた。

だけど、そうでもないのかもしれない。


翔「俺、親に会ったこと無いんだ。
名前だって知らない。
何処にいるのかも分からない。
もしかすると、もう同じ世界にはいないかもしれない。

小さい頃から施設で育てられた。

血の繋がりも無い俺を大切に育ててくれた施設の人には本当に感謝してる。

でも、いつの時にか施設を抜け出してて、"何処か遠くに行きたい"って思った。

"自由に暮らしたい"

"普通の生活がしたい"って。

だけど、俺はその時お金なんてものを持っていなくて、どうしようもなく万引きをしようとしたんだ。

その時、兄貴が『やめとけ。俺が勝ってやるから』って。

俺に必要なものを全て買ってくれて、家にも泊めてくれて、俺はその時"優しさ"を知った。

今は、兄貴に借りたお金や恩を返そうと働いてる。

俺はきっと、兄貴がいなかったら、
"万引き"というものを繰り返して逮捕されていたかもしれないし、飢え死にだってしてたかもしれない。

大袈裟だけどな。

だけど、これだけは言える。


今の俺があるのは全部全部
兄貴のおかげなんだ。

兄貴がいなければ今の俺はいない。」


知らなかった。

今までに辛い思いをしてきたこと。

優しい心を持っていること。


そして、今、自分が泣いていることを。