数十秒間呆気にとらわれていた私たち。先に口を開いたのは山下さんだった。
















「や、なんかほんとびっくりだよね。まさか江美ちゃんがブッチとは、、、」













それはこっちのセリフだ。
もうこんなとこで会うなんて運命ではないのかと錯覚を起こしそうになったが自分の身なりを見て我に返った。











す、すっぴんんんんんん!!!!
なんでこんな時にすっぴんぼさぼさスウェットなんだー!!!
いい歳してなんちゅー格好で歩いてるんだ私ー!!!!










とか頭では混乱の渦に巻き込まれていたが顔はいたって冷静だった。












『本当ですね。びっくりしました、、』
と、とりあえず髪を整えるフリをする。なんの意味もないけど。









「うん、でもなんとなくブッチが江美ちゃんってすぐ受け入れれたわ!」










すごい笑顔で言ってきたから、なんて大人なんだと感心していた。












『ライムさんはもっとおじさんかと思ってたので、想像以上に若くてびっくりしました。』っと素直な感想を述べてみる。













「それってどっちの俺がけなされてるの!?」











相変わらずいいツッコミだなあ。











犬を連れ、並んで歩く私たちは春の匂いに包まれて奇妙な関係に幕を開けたのであった。












なんて小説みたいなことを語ってみる。