そして、今でも覚えてる。あの日のこと。
学校行くのも嫌になってきた頃。
それは、学校帰りのことだった。
いつもの様に友達と一緒に下校していた。

「今日宿題たくさんあるね」

「早く帰ってしなきゃね!」

なんて、話してたっけな。うんうん、若い。

校門を出てすぐだった。私は突然誰かに押されて前に倒れてしまった。

「ちょっと!凛ちゃん、大丈夫?!」

「え、と、う、うん?」

あまりに突然のことで混乱していた。

「り、凛ちゃん!膝!ケガしてる!私保健室の先生呼んでくる!ちょっと!アンタ達!ただじゃおかないからね!」


(あ、本当だ。私、膝ケガしてる)

3人いて、そのうちの2人は『お、おい。やべーよ!』『ケガしてるじゃんか!俺達知らないからな!』とうろたえており早々とその場を立ち去ってしまった。
残った1人がズカズカと私の方へ歩いてきた。また何かされるのかと思って体がビクッと震えた。

「お前!本当にムカつくんだよ!何で俺たちの前で泣かないんだよ!」

「えと、」

なんで、私は怒られてるんだろう。膝も痛いし。

「な、なんでって言われても…」

わけがわからなくて涙が出そうになる。
その時だった。あの人が現れたのは。