ひとりになると泣き虫になってしまう私は、気づけばお腹をさすりながら話しかける事で心が落ち着いていた。


私は、ひとりじゃない。そう思える瞬間だった。



この子がお腹にいる事を伝えなきゃ。
ケンカ中だって事すら忘れて夢中で連絡を取ろうと久しぶりに電話をかけた。何となく、彼の声色から産むことに反対される。それは分かってた。分かりたくなくても。

私の本心は、たったひとつのこの世にこの子にしかない生命が私のお腹の中にある。その大切な生命を殺したくない。

… 産みたい。

それだけだった。