(女の子扱いされた…。前にもこんなことあったかも)

優しくされると嬉しいのはどの女の子も同じだ
だけ千咲と他の子たちとは少し態度が違うのは気づいていない

「さて、買うもの買ったしコテージに戻ろっか?」

「そうですね」

会計を済ませると来た道を戻る
戻る途中、海をちょうど眺めることが出来るのか足を止める千咲

「わあ…海綺麗」

その声に秋斗も止める
少し海を眺めるとチラッと千咲の方を向く

髪やスカートが風に靡いていてその横顔はまるで別の人に見えていた

(……千咲ちゃんじゃないみたいだ)

一瞬、綺麗だと思っている自分がいた
ほのか以外と女の子とこんな風に出掛けたり二人きりになることはめったにない

だけど、千咲だけはなにか違うと感じていた

自分に媚びるわけでも無く誰にでも優しく、それでいて少し謙虚だ
まだほとんど何も知らないが秋斗の中ではもっと知りたいと心の中で思っている自分がいた

「先輩、戻りましょ?」

「ん、あぁそうだね」

二人はコテージに戻るとさっきまで散策に行っていた愛未たちも戻って来ていた

ちょうどお昼を過ぎて軽く済ませると夕方までまた自由にそれぞれ過ごす

千咲はスケッチブックを持ってバルコニーにいた