「うーん…」
雑誌コーナーに行きメンズファッション誌の一つを手にする
幸い、そこには千咲一人しか居ないため周りに誰も居ないことを確認してページをめくる
(……なるほど。カッコイイ感じってこんなかな?)
ふむふむと頷きながら熱心に見ているとポンッと肩を叩かれる
「千咲ちゃん?」
「きゃっ!?」
「あ、ごめん…。オレだよ」
ぱっと手を離して声をかけたのは秋斗だ
あまりにもびっくりしたため声を上げてしまう
「あ、秋斗先輩…。びっくり、した」
「ごめんね。熱心になんか読んでて何回か声掛けたんだけど」
申し訳なさそうに謝る様子に千咲は慌てて「こっちこそごめんなさい!」と謝ると持っていた雑誌がバサッと床に落ちる
「あ…」
「あれ?この雑誌…」
床に落ちた雑誌を拾い上げる
その雑誌は秋斗と創汰が良く読んでいるメンズファッション誌だ
表紙には「ØMEN'S」(ゼロメンズ)と書いてある
「千咲ちゃんこれ読むの?メンズファッション誌だけど…」
「ちっ、違います!あのこれは…その、あの…」
あわあわと否定する
どう説明しようか考えていた
咲良のお店のお手伝いしてることを知っているのはごく一部だ
愛未と創汰は知っている
「なんかワケありみたいだね」
「すみません…」


