4月末から5月頭まで約10日あまり
学生にとっては嬉しい休みだ
愛未と別れて家に着くと咲良の靴があるのに気付く
パタパタとリビングに行く夕飯の支度をしている咲良がいた
「お姉ちゃん!」
「あら、おかえりなさい」
「え、今日遅くなるって…」
あせあせと慌てる咲良はクスッと笑う
すると「とりあえず着替えてきて」と言う
千咲は着替えてくると咲良の手伝いに入りながら早く帰ってきたことを聞いてみる
「お姉ちゃん今日遅くなるって言ってたんじゃ?」
「あー、仕事終わって帰ってきたのはさっきなんだけど編集長が「たまには早く帰って千咲ちゃんとゆっくりご飯食べな」って言われて帰ってきたのよ」
「編集長って…雨音(あまね)さん?」
「そうそう。雨音さんも年の離れた姉弟がいるから私の気持ち分かるらしくてさ」
「優しいね雨音さん」
咲良は働く若者に人気のアパレルショップの店員
中高生や大学生を中心とした大人な服が多く売っているお店
そこの店長兼オーナー兼編集長の宇綺 雨音(うき あまね)
咲良の上司に当たる
「まあね。あ、そうそうこの間千咲が出してくれたアイデア採用されたわよ」
「ほんと!?」


