なんとなくしゅんとした寂しい感情に駆られる千咲
冬休み始まってすぐ秋斗とは連絡を取れていない

正確に言えば何気ない会話でもいいからメッセージを送ったが返って来なかった

「……」

きっと忙しいんだろうな、と自分に言い聞かせる
ほのかに秋斗のこと聞いても分からないと返ってくるばかり

冬休みなんだし秋斗がどう過ごすかなんて本人の自由だ
好き、という気持ちばかりが焦る

「はぁ…」

(ダメダメ、弱気になったら。まだ冬休み始まったばかりなんだもん!)

よし、と緩んだ気を立たせるために課題に取り組むことにした
バイトで疎かにならないように今のうちに終わらせるためだ

すると急に電話がなりビクッとする

「うわぁ!………ってお姉ちゃん?」

電話を掛けてきた相手は咲良だ

時計を見るとまだお昼前だ
会社にいる時間のはずだ、と思ったが急ぎの用かもしれないと思いすぐさま電話に出る

「も、もしもし?」

『あ、千咲?急にごめんね。いま家?』

「うん。どこにも出掛ける用事ないから課題片してるんだけど…お姉ちゃんこそどうしたの?」

『ああ、あのね。私の部屋に茶色い封筒ないか見てくれないかな?』

「ん、わかった」

千咲は通話を繋げたまま咲良の部屋に入ると机の上には茶色い封筒が置いてあった