保健室から出ると秋斗がポンポンと頭を撫でる

「……秋斗先輩?」

急に頭を撫でられて不思議そうにする
すると急に「ごめんね」謝る

千咲は笑顔で「もういいんです」と答える
この問題は終わったこと

「痛くなかった?」

「こんなの平気ですよ?だからこのお話はおしまいです!だから…」

「だから?」

みんなに迷惑かけてしまったとずっと引きずるのは辞めた千咲はふわりと微笑みながら……

「文化祭は5人で一緒に回ってたくさん思い出作りましょ?」

「ああ…」

その二人の様子を陰から見ていた愛未、創汰、ほのか
三人も内心ホッとしていた

せっかく仲良くなったのに溝が出来たらどうしようかと思っていた

「あの二人なんだか良い雰囲気だね」

「そーですねぇ…。ね、宇佐美くん」

「なんでオレに振る」

「べっつにー」

愛未はいつも通りに創汰を見ながらニヤニヤする
察しが良いため創汰の気持ちを知っていた

ほのかも何となく気付いていたがなにも言わなかった

そして陰から出ていくといつも通りの笑顔で全員が揃う

「ちぃ、ケガ大丈夫?」

「大丈夫だよ。少しすれば治るし」

「もう無茶はダムよ?」

「分かった分かった」

ーーーそして残り準備期間の三日間はあっという間にすぎる
各クラスや実行委員会、先生や生徒会含め最終チェックを終えてあとは当日を待つだけとなった