『こんばんは。急に電話してごめんね』
「いえ…。あの、どうしたんですか?」
『ああ、実はさっき…』
ほのかからの連絡があり「今週末にあるお祭りみんなで行かないか」と秋斗に電話があった
先程愛未からの連絡を秋斗に回しみんなを誘うように誘導していた
ほのからしいやり方だった
「みんなで…」
『うん、どうかな?』
「もちろん大丈夫です!」
『じゃあ詳しいことはあとから連絡入れるね』
「はい!」
そう言って電話を切る
何かを察した愛未は「秋斗先輩から?」と言うとうなずく
「今週末のお祭りみんなで行かないって」
「もちろん行く行く!」
「やった!詳しいことはあとから教えるってさ」
「ふふっ、なんか楽しみだね」
「うん!」
みんなで行くことが楽しみな二人
片付けを済ませたあと愛未は家へと帰っていく
咲良が帰ってくる間、千咲はお祭りが楽しみで仕方なかった
毎年3人で行っているお祭り
でも今年は違う
憧れの先輩と行くお祭り
「そうだ、お姉ちゃんに相談して浴衣用意してもらおうかな」
今年の夏は何かが違った
楽しい楽しい夏になるに間違いないと確信した
そしていつの間にか秋斗のことをもった知りたいと思ってしまう自分がいることを千咲は気付いていなかった


