秋斗は千咲を探すために泳いでいた

(千咲ちゃん…どこに…)

少し深く泳いでいるとどんどん海の底に沈む人影があった
それはいま秋斗が探している人物

(いた…!)

「…………っ」

千咲を自分の方に引き付けて人工呼吸をすると空気が送られたのか息を吹き返す
とりあえず生きてることを確認してから抱き抱えて上がっていく

「ぷはっ…!はぁはぁ…千咲ちゃん!」

「…………」

息を吹き返したがそのまま気を失っている千咲

「早く医者に見せなきゃ」

海から上がり陸まで行くとお姫様抱っこをする
それに気付いて創汰が声を上げる

「秋斗先輩!」

「うさ…」

「千咲は…」

「千咲ちゃんは無事だよ。とりあえず医者に見せよ」

創汰に続き咲良たちも秋斗のところに来て千咲の容態を聞く
無事と聞かされてホッとしていると一人の男性が声を掛ける

「僕が診よう。キミたちが泊まっているところまで案内してくれないか?」

「あなたは?」

その男性は男の子の父親だった
男の子の父親は医者でたまたま家族で海へ来ていた
そしてさっきの話を聞いて千咲を診てくれると言う

「ありがとうございます」

みんなは荷物をまとめてコテージに戻る
着替えなどは咲良たちに任せる

千咲が目を覚ますのはその数時間後だった


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