「………尚侍様は、皇女の姫なんだよ。それに、身目華やかだから、若草だと、勝てないよ。………こんなの、若い娘に言うことじゃないよね。」

常磐の尚侍って言ったら、琵琶の名手で有名じゃないの。

「昔は跳ねっ返りの姫君だったらしい。でも、不遇な生活で、姫君らしくなったみたいだよ。」

そう。
跳ねっ返りなの?

不遇なって………完璧な姫君を演じなくてはならなくなったの?

「尚侍様には、姉君がいてね、朝日の姫君と仰る方だが、この方の方が、評判だったとか。でも、この方は身分が高くないから、代わりにたてたのが今の尚侍様さ。」