「如何して?」

何となく、気になったから、問うてみたの。

「常磐の尚侍様さ。」

尚侍様?
誰、それ。

「二年前に、典侍として出仕されて、この間、尚侍に昇進された方さ。」

「そう。」

「尚侍様の家格は我らからしたら、大したことはないのだが、やはり、母上が受領の我らは叶わぬよ。」

「お母様の身分まで、ついてまわるの?」

我ながら、当たり前のことを聞いたわ。