勝ったのは、どちらか。
それは、分からないわ。

ただ、これにより、お姉様は亡くなるわけだし、縁起の悪いったら、ありゃしないわね。

私の将来は、どうなるのかしら。
お姉様みたいに、死ぬのは、嫌よ?

桜と呼ばれたお姉様。
だから、命も短命だったのかもしれないわね。

可哀想といえば可哀想だけれど、名誉な呼び方をされていたので、幾分マシじゃないかしら。

「若草の姫様。」

女房がまた、お説教しにきたわ。
もう、耳にたこなのだけど。

「お筝の手習いを、なさいませ。」