メーデー、メーデー、メーデー。


 「オレもTHBOに誘われた時、そう思いました。『お前はもう健常者じゃないんだから』って一般社会から締め出しを喰らった気分になって、物凄く腹が立ちました。『障がい者同士で仲よく』なんて、今はする気になれないとは思います。なんで自分が障がい者と…って思ってますよね、きっと。でもね、障がいの度合いや種類が違えど、同じ様な境遇の人間が知り合いにいるって、少し気持ちが楽になりますよ」

 関屋くんが藤岡さんの気持ちを汲み取りながら話を続ける。

 「……」

 藤岡さんは、反論せずに関屋くんの話に耳を傾けた。自分と同じ様に、事故に遭い車椅子の生活になった関屋くんの言葉は、オレや早瀬先生の話よりも受け入れ易いのだろう。

 「世の中にはさ、障がい者に冷たい人っているでしょう? 例えばオレなんて、バスに乗ろうとすれば運転手さんの手を借りなければいけないから、出発時間が遅れちゃったりする事があるのね。そうすると、急いでいる人なんかからは物凄い嫌な目で見られたりとかしょっちゅうあるのね。超ムカツクから、そんな時はTHBOの仲間にめちゃめちゃ愚痴ってみんなで文句言い合うのね。『バチ当たれ!! ばーか!!』的な」

 「……」

 関屋くんの話を聞いていた藤岡さんが、黙ったままではいるが、布団から顔を出した。