メーデー、メーデー、メーデー。


 「柴田です。じゃあ、ガツガツ食べてきますよ。オレは木南先生と違って食べても太らない体質なので」

 『ふふーん』と鼻を鳴らせながらモデルポーズを決めて見せると、

 「うっざ」

 と言いつつ木南先生が吹き出した。

 「ちゃちゃっと食べて戻ってくるので、午後からのオペ見学させてください。オレ、午後から手が空いているので」

 木南先生のオペに入る予定はなかったが、どうしても見たくてお願いすると、

 「はいはい。勉強熱心なのは良い事ですね」

 木南先生は快く受け入れてくれた。

 木南先生が早瀬先生を脳外から追放した理由は分からないが、オレにはどうしても、そこに木南先生の悪意があったとは思えない。