メーデー、メーデー、メーデー。


 「柴田くん、運が良いね。木南先生がオーベンなんて。彼女、本当に優秀な医者だから」

 そして、吉田先生同様、早瀬先生も木南先生を褒めちぎった。

 「そうなんだと思います。私の苗字は覚えてくれないし、私の事をめちゃめちゃ馬鹿にしてきますが、医者としては素晴らしい人なんだろうなと思います。そんな木南先生が早瀬先生の事を『物凄く手術が上手い』と言っていました。『しっかり勉強しておいで』と言われました。何でもしますので、どうぞ宜しくお願いします」

 早瀬先生が言う様に、木南先生は優れた医者だとは思うが、オレの思い描く医師像は早瀬先生の方が近い。

 慕う気持ちを込めて早瀬先生に頭を下げると、

 「…木南先生、そんな事言ってたんだ。よし!! 行こう!!」

 早瀬先生は綻ばせた頬を引き締め直し、藤岡さんのオペ室に入って行った。