メーデー、メーデー、メーデー。


 この病院、ちょっとおかしくないか? 病院って、医者って、こんなんでいいのか? と、煮え切らない状態ではあるが、早瀬先生が来てくれる事は朗報。

 すぐさまその吉報を木南先生に伝えるべく、懸命に手術中の木南先生がいるオペ室に戻った。

 「木南先生!! 早瀬先生がすぐ来てくれるそうです!!」

 「じゃあ、研修医は藤岡さんのオペ室に行きな。アンタ、一応脳外ローテ中だから。早瀬先生のオペ、しっかり見ておいで。彼、物凄く手術が上手いから。早瀬先生の指示に従って、手伝える事は率先してやるんだよ。早瀬先生の動きを見ながら勉強しておいで、研修医」

 依然川原さんのオペ中の木南先生は、オレの方には目もくれず、真剣に手を動かしながら、本来オレが今しなければならない研修が出来る場所へ促した。

 「柴田です。分かりました。行ってきます」

 オレの事をわざと『研修医』と呼んで面白がっているだろう木南先生に、しつこく苗字を言ってから返事をすると、川原さんのオペ室を出て早瀬先生が来るのを待った。

 とても繊細で丁寧な手術をする木南先生が『物凄く上手い』と絶賛する早瀬先生のオペを、早く見たいと思った。