「柴田です。すぐ掛けます!!」
再度オペ室を飛び出し、外科の早瀬先生の携帯に電話した。
「はい。外科、早瀬です」
早瀬先生も1コールで出てくれた。
「あ。私、今脳外ローテ中の研修医の柴田と申します。あの、今救命にいまして、急性硬膜下血腫のオペが出来る先生が捕まらなくて困っていまして、木南先生の指示で早瀬先生にお電話差し上げた次第です。オペして頂けませんか? お願いします!!」
どうしても早瀬先生に来て欲しくて、一刻も早く藤岡さんを助けたくて、早口で一気に喋ると、電話なのにも関わらず勢い良く頭を下げた。
だって、早瀬先生が来てくれなければ、他に当てがあるとは思えない。
「…木南先生が?」
早瀬先生が少し驚いたような声を出した。
「はい。『彼なら出来る』と」
「分かりました。すぐに行きます」
それでも早瀬先生は快諾してくれた。
『良かった』とホッとはしたが、『外科の先生が来てくれるというのに脳外の先生は…』とやはり腹の虫が治まらない。



