メーデー、メーデー、メーデー。


 「そう。見ての通り、手先が器用すぎて、病院長直々の指名により、脳外に引っ張られて行ったんだよ。ほら、ウチの病院って脳外に力入ってるじゃん? 言っておくけど、このオペでストーマを使用するのは普通で一般的だから。オレの腕が悪いわけでも、診療点数稼ぎたいわけでもないから。このケースで木南の真似をして縫合のみの手術のするのは危険。誰もが出来るオペではないから」

 『オーベンやってるなら研修医にはスタンダードな術式見せろっつーの』と木南先生に口を尖らせる吉田先生。

 木南先生と吉田先生が、科が違うのにも関わらず言いたい事を言い合えるのは、気心が知れていたからなのか。と納得しながら木南先生の鮮やかな手の動きを目で追う。

 ローテで色々な科の先生たちのオペを見た。木南先生が1番だと思った。早いのに丁寧で、無駄が無い。

 吉田先生に言われなくても木南先生の真似などしない。出来るわけがない。

 どんな練習をし、どれだけの場数を踏めば木南先生の様なオペが出来るのだろう。

 そんな事を考えながら木南先生の手術に目を奪われていると、