メーデー、メーデー、メーデー。


 「ナーイス、研修医!! メス、パース!!」

 先ほどまで吉田先生が立っていた位置に滑り込み、看護師さんに『早く早く』とメスを要求する木南先生。

 メスを受け取った途端、木南先生の目が輝き、イキイキし出した。

 木南先生は、吉田先生が切ろうとしてところとはだいぶ違う位置にメスを入れ、壊死腸管と腸管破裂の特に激しい部分のみを切除すると、

 「メイヨー」

 今度はメスを手放し、看護師さんに『カモンカモン』とメイヨーを求める。

 そして、手早く吻合に取り掛かる木南先生。

 細かく綺麗なその縫い目。かなり広がっていた裂け目も難なく縫い上げている。

 「…相変わらずいい腕してるわ、木南は。戻ってくればいいのに」

 木南先生に強引に執刀を代わられた吉田先生が、溜息交じりに苦笑いした。

 「戻る? 木南先生、もともと救命医だったんですか?」