メーデー、メーデー、メーデー。


 「あるよー。去年オレがアッペで入院した時に、木南が花と一緒持って来た花瓶が、確か仮眠室の奥の方に片してあるはず…。でも、この量の花は入らないよ。この花を全部を入れるとしたら、学長室にある、割ったらタダでは済まされない、ウン百万の壺を借りてくるしかないんじゃない?」

 ツッコミどころが多すぎる春日先生の言葉。
 
 まず、木南先生のお見舞いに、木南先生が春日先生の為に用意した花瓶を使用する事。そして、オレに再度学長室へ行かせ、触る事さえ許されないだろう壺を借りさせようとする事。
 
 「学長がそんな高価な壺を貸してくれるわけがないじゃないですか。それに、万が一貸してくれたとしても、緊張余って確実に落として割りますよ。今度こそ除名されますよ」

 出世を目指しているのなら、積極的に学長に顔を売りに行くが、そのスタートラインにすら立っていない研修医の立場で、あんなに圧の強い場所には暫くは近寄りたくない。
 
 「じゃあ、入りきらない花はどうするの? あとはバケツと屎尿瓶くらいしか入れ物なんてないよ」
 
 「屎尿瓶に花挿して木南先生の病室に飾ってみてくださいよ。一生口利いてくれなくなりますよ」

 春日先生のしょうもない案を悉く却下。