「柴田です。分かっています」
吉田先生の圧に高速で何度も頷くと、
「分かってるよな、研修医。アンタのオーベンは私」
すかさず木南先生が差し込む様な鋭い視線をオレに飛ばした。
完全なる板挟み。
今のローテのオーベンは木南先生。しかし、脳外の次のローテは救命。もしかしたらオレのオーベンをするのは吉田先生かもしれない。
次のローテで気まずくなったら…。しかし、最終的に入りたいのは脳外の医局。自ずと答えは出る。
「柴田です。分かってます。吉田先生、退いてください」
左肩でタックルをする様に、吉田先生を押し退けた。
「コラコラコラ!!」
吉田先生も動くまいと踏ん張るが、20代のオレに比べると足腰が弱く、割と簡単に吉田先生を手術台の端っこに移動させる事に成功。



