メーデー、メーデー、メーデー。


 翌朝は、やはりいつもより早く目が覚めた。

 なので、いつも適当に済ませている朝食を時間を掛けてしっかり取り、毎日時間に追われながら雑に剃っていた髭も丁寧に剃りあげ、余裕を持って病院へ出勤。

 診察をしたり、野村さんの身体の調子を確認したりしていると、あっという間に午前を過ぎ、お昼になっていた。

 木南先生が出勤してくると、早瀬先生も脳外の医局に合流。3人揃ったところでオペ室に向かう。

 手を洗い、オペ室に入ると、オペ看と麻酔医と技師さんが準備をしながらオレらを待っていた。

 木南先生が手術台に寝ている野村さんに近付き、

 「頑張りましょうね。よろしくお願い致します」

 と微笑み掛けた。

 「はい。どうぞ、よろしくお願い致します」

 本当は怖い思いをしているだろうに、木南先生が執刀してくれる事に安心しているのだろう野村さんは、笑顔で木南先生に頷いた。