野村さんの病室を訪ね、野村さんに木南先生がオペをしてくれる事になった事、オペによって小説を書く事が出来なくなる可能性がある事、どんなオペをするのかを説明をすると、野村さんは『今から書き始めても、書ききる前に死んでしまうかもしれない。ならば可能性に賭けたい。手術がしたい』とオペを希望した。
野村さんから手術の同意書に署名を貰い、次は早瀬先生がいる外科へ。
外科の医局のドアを開けると、早瀬先生がデスクで論文作成をしていた。
「早瀬先生、お忙しいところ申し訳ありません。今、少し宜しいですか?」
「あ、柴田くん。何でしょう?」
オレに声を掛けられ、早瀬先生がパソコンを打つのをやめ、オレの方を見た。
「あの、早瀬先生にお願いがあって来ました。木南先生が執刀するグリブラのオペ、手伝って頂きたいんです」
『これ、見てください』と早瀬先生にROMを手渡す。
早瀬先生が書きかけの論文を保存し、そのROMをパソコンにセットした。



