春日先生から送ってもらったメールを見直し、病院を飛び出した。

 駅までダッシュし、電車に乗ること10分。そこから徒歩5分。着いたところは、

 「この、金持ちが」

 オシャレで綺麗なマンション。木南先生の自宅だ。

 ホテルみたいなエントランスに、コンシェルジュはいるわで、自分だって親が医者だったおかげでそれなりに良い暮らしをしてきたはずなのに、

 「ここ、管理費いくらなんだよ」

 と、思わず口をついてしまう程の豪華さ。

 『木南先生は有名な脳外科医だから他の医者より給料が高いんだろうな』と、木南先生への憧れと羨ましさと、『オレも上りつめてやる!!』という悔しさを噛みしめながら、インターホンに近付き木南先生の部屋番号をプッシュした。