連れてこられたのは全校集会の真っ只中の体育館。



彼は問答無用で体育館の扉を大きく開ける。



中にいる生徒の視線は一気に集まり女子の感性はすごい。



男子からの歓声もある。



この人は男女問わず人気だ。



「あの子誰?」


ひそひそ声でプリンスの後ろにいる私の話で盛り上がる。



「なにあの地味女。凛太朗様の後ろに隠れてずるいわ。」



忘れてたけどここ金持ち学校だ。



セレブしかいないこの私立の高校。



服部くんもセレブだ。



すると彼はマイクを放送委員から受け取り大きな声で言った。



「今日から瑞季を俺の女にする!女子は嫌がらせをしないこと。男子は瑞季を奪わないこと。これ条件ね?」



そういって彼はその場で私を抱き寄せた。



周りからは規制と歓声。



私が一番叫びたいよ。



「な、何かってなこと言ってんの??私お断りします!」



そう言って服部くんから距離をとる。



「俺、キミを振り向かせる自信あるよ?」



「そ、そんなの知りませんよ!」



にこやかに笑う彼に私は焦って言い返す。



「娯楽は他当たってください!」



私はその言葉を言って体育館を後にした。



やばいな。いろいろやばい。



初恋の人に振られたのを忘れるぐらい服部 凛太朗の力恐るべし。



俺の女!???冗談じゃない。



私の学校生活の平和を奪わないでよね!って。



全校の前で言われたってことはもう女子の敵じゃん!



男子からはニヤニヤして見られて。



最悪だ。明日文句言ってやる!



私の好きな人は私が決める。



本気の恋探したい!



いい人現れてください!!