初恋…それは甘く甘酸っぱい。



そんな夢物語は存在しない！！！！



「ねぇ。裕貴くん。好きです。」



昔から仲のいい楠 裕貴くん。



彼は笑顔だった。よし！告白成功だ！



そう思ってたのに…。



「なんで俺がお前みたいな地味なやつと付き合わないといけないわけ？」



その声で彼は私を嘲笑いその場を後にした。



私の初恋をあんな男に捧げたなんて。



「橘さん？大丈夫？？」



ゆっくり顔を上げると学校中のプリンスである服部 凛太朗が私に手を伸ばしている。



背が高く色白で制服を着こなす彼はまさに王子様だ。



「プ、プリンス？な、何の用？私を見たって輝きも起こらないしむしろ切なさというか虚しさが残るだけだと思うから他当たって？」



真顔で言うと服部くんはその場で爆笑する。



「橘さん、いや瑞季面白すぎ！さっきの男に見返してやりなよ？」



そう言って彼は私の腕を引っ張った。



「無理だよ…。さっきの見ればわかるでしょ？」



そう言うと顔を近づけてくるプリンス。




「なに？」



短くそう返事をすると彼は少し驚いた顔をした。



「俺に惚れない女子初めて見たかも？」



なんだその堂々たる自信は。



「ますます気になった！今日からイメチェンしよ？」



そう言うと彼は私の手を握って走り出した。



「ちょ！どこ行くの！？？？」



そう言っても彼は教えてくれない。



私はとんでもない人と手をつないでいる。



女子のハーレムの方々ごめんなさい。



でもこの人が勝手につないできたんです！



言い訳を考えても思いつかないしどっちしても私は睨まれるな。



そう思うと楽しい嬉しいよりもため息の方が大きかった。