「よし!じゃあこれで練習するぞ!」

と大木先生。


練習は5年生もいるから、

なかなか合同だけあって

2回くらいしか練習がない。


わたしが組んだのは、

沙耶【さや】ちゃん

真里【まり】ちゃん

花梨【かりん】ちゃんのところである。


身長の低い花梨ちゃんが上で、

1番その中で背が高かったわたしが

前で土台となる人となった。



いや、ね、なんとなく

嫌な感じあったけど…

これタックルしたら

1番ぶつかるじゃん!!


とりあえず最初は騎馬戦の形を

それぞれで作った。

正直たまたま同じクラスだったから

ちょっときまずかったが、すぐに

ドッジボールになった。

ちょっとは大木先生、男子のこと

考えてくれたのかな…?



もちろん男女分かれたんだけど。

わたしは基本、逃げる専門。

あんな速いボールを

痛い思いしてまでは掴みたくない。

春菜はその逆でむしろボールに

突っ込むように掴んで相手に投げている。


いやぁ、春菜と同じチームで

よかった、これなら安心だ。



と、思っていた矢先に、


「人数も多いしな〜

ボール1つ増やすぞーっ!」

と大木先生がボールをパスしてくる。


そのボールはわたしに向かってきた。


えええええ!!

ちょっと、先生やめてよ〜と

思いながらも、

まだみんなのよりも

ふんわりしたボールを掴むと、


「ひな〜!投げて!投げて!」

と春菜。


いやぁ…

わたし投げるの嫌なのってさ…


と前に後ろを向いた

花梨ちゃんがいたので

狙って投げると

どんっという音を立てて

「あちゃ〜当たったよ〜」と

よろめきながら言う花梨ちゃん。


これなの、怪我してないけど、

なんか遊びでも傷つけるみたいで

嫌なのよね…。


花梨ちゃんが外野に出るときに

思わず、

「花梨ちゃんー!ほんとにごめんね!」

と謝ると


「いやいや、そういう遊びだし、

だいじょぶだって!

花梨強いんだからー!」と

笑顔を向けてくる。


それなら良かったって、

ほっとしてたときに、


「隙あり〜!」

と相手のチームの沙耶ちゃんが

投げてきたボールに当たってしまった。


「もう〜ひな!

ぼーっとしてると狙われるよー!」と

わたしに跳ね返ったボールを

すかさず掴む春菜に言われる。



「ごめん〜!」

と謝ってから、外野に出る。


幸いそんなにわたしのチームは

春菜が大活躍してるおかげで、

リードしていた。


すると、


ピーっ!


と笛の合図が聞こえた。


「終わりだー!人数を数えろー!」

と大木先生。


や、終わる間際に当たっちゃったか…。


チラっと横を見ると

男子のドッジボールを見ると

翔は中にいた。



当たらずにすんだんだな、、

さすが運動神経いいんだから、

なんて思いながらも運動会の練習

ならぬ、体育の授業は終わった。