だけどその異様な雰囲気は、明らかにそこ

らの浮遊霊とは違う、もっとおぞましいも

のでした。


特に奥のトイレからは、黒いオーラが漂っ

てきていて・・・


「ここに掃除道具があるから」


そう言って先輩が指差したのは、よりにも

よってそのトイレの隣。僕は何とも言えない

寒気に襲われました。


みんなは変だと思わないのかな・・・


そのトイレからは、吐き気を催す程に気持

ちの悪い何かが睨みを利かせていました。

それなのに、まるで先輩は気づいていない

様子。


まあ、霊感なんてものがないから働けるんだ

ろうな・・・


霊感なんてなければどれだけ楽な事か。僕

は霊感体質でない人が羨ましくなりまし

た。それ程までに、そこら辺一体は嫌な雰

囲気に包まれていたんです。