「――あのぉ……月華の君の恋心って、それ反逆行為ですよね?」
なぜ皆、そこのところをスルーするのだろう、と乙女は不思議に思いながら訊ねる。
「あんなのナンセンス!」
「そう、このお茶会では正直な気持ちを話すの」
「だって、ストレス発散の場ですもの」
蘭子、桔梗、桐子が次々に発言する。
「ご存じかしら? チェリー・ブロッサムという作家のこと」
丸子の言葉にドキンと乙女の心臓が跳ね返る。
「――彼女の著書は禁書ですよね……」
「あら、やはりご存じなのね」
「私たち彼女の大ファンなの!」
苺が嬉々と言いながらハンドバッグの中から一冊の本を取り出す。
乙女の新刊だ。赤面しそうになるのを乙女はグッと堪える。
「私、こんな恋がしたかったなぁ」
「あら、小岩井公爵としているじゃない!」
ニヤニヤ笑いながら丸子が言う。
「じゃなくて! 旦那様とお見合いじゃなく、こんな風に」と苺が本の表紙を撫でながら「偶然の出会いで会いたかったの!」言う。
「私もチェリー・ブロッサムの男女の出会いには憧れるわ」
皆が口々に肯定的な言葉を発する。
なぜ皆、そこのところをスルーするのだろう、と乙女は不思議に思いながら訊ねる。
「あんなのナンセンス!」
「そう、このお茶会では正直な気持ちを話すの」
「だって、ストレス発散の場ですもの」
蘭子、桔梗、桐子が次々に発言する。
「ご存じかしら? チェリー・ブロッサムという作家のこと」
丸子の言葉にドキンと乙女の心臓が跳ね返る。
「――彼女の著書は禁書ですよね……」
「あら、やはりご存じなのね」
「私たち彼女の大ファンなの!」
苺が嬉々と言いながらハンドバッグの中から一冊の本を取り出す。
乙女の新刊だ。赤面しそうになるのを乙女はグッと堪える。
「私、こんな恋がしたかったなぁ」
「あら、小岩井公爵としているじゃない!」
ニヤニヤ笑いながら丸子が言う。
「じゃなくて! 旦那様とお見合いじゃなく、こんな風に」と苺が本の表紙を撫でながら「偶然の出会いで会いたかったの!」言う。
「私もチェリー・ブロッサムの男女の出会いには憧れるわ」
皆が口々に肯定的な言葉を発する。


