『乙女様、お約束絶対にお忘れなく!』
出掛けに紅子が言った言葉を思い出す。
『常磐邸の噂高い温室を是非写真に収めて帰って下さいまし。今後の参考に致します故』
紅子曰く、常磐邸は最高位ということからか、かなりベールに包まれているらしい。
『ずっと以前、一度だけ雑誌の温室特集に常磐邸の温室が紹介されてことがありました。それはもう美しいお庭でした。私も一度でいいので、そのお庭を実際に拝見しとうございます』
折に触れ言っていたその常磐邸に招待されたのだ、紅子の興奮は計り知れないものだったに違いない。それを悟られないようにミミに私の着替えを任せたのか、と乙女は紅子の真意に気付き、ほくそ笑む。
「こちらです」
乙女は重也の声で我に返ると彼の掌が指し示す方向に視線を向ける。そこは実に居心地の良さそうなサロンだった。
冷暖房が完備されているのだろう。暑くもなく寒くもない。
天井までのガラスパーテーション前には豪華なカウチが置かれ、四季の風景がジックリ愛でられるようになっていた。
出掛けに紅子が言った言葉を思い出す。
『常磐邸の噂高い温室を是非写真に収めて帰って下さいまし。今後の参考に致します故』
紅子曰く、常磐邸は最高位ということからか、かなりベールに包まれているらしい。
『ずっと以前、一度だけ雑誌の温室特集に常磐邸の温室が紹介されてことがありました。それはもう美しいお庭でした。私も一度でいいので、そのお庭を実際に拝見しとうございます』
折に触れ言っていたその常磐邸に招待されたのだ、紅子の興奮は計り知れないものだったに違いない。それを悟られないようにミミに私の着替えを任せたのか、と乙女は紅子の真意に気付き、ほくそ笑む。
「こちらです」
乙女は重也の声で我に返ると彼の掌が指し示す方向に視線を向ける。そこは実に居心地の良さそうなサロンだった。
冷暖房が完備されているのだろう。暑くもなく寒くもない。
天井までのガラスパーテーション前には豪華なカウチが置かれ、四季の風景がジックリ愛でられるようになっていた。


