「葵っていう名前はね…。」

 声に反応して振り替えると、公英がいた。


「向日葵から取っているのよ。…本当に、ひまわりのような子だったわね。暑い夏を一生懸命生きているような、そんなところが。」


 公英は、大きなひまわりを眺めて言った。


「で、どうしてここへ来たかったの?」

 公英は、志音に尋ねた。

 志音は笑顔で言った。

「ここが、今の私のすべての始まりだから。自分なりに生きようと思った、そのきっかけの場所だから。」