「…ごめんなさい!お父さん!!」


 志音はうつむいて窓越しの父親に謝った。膝の上でぎゅっと握った両手の拳の上に、涙がぽたぽたと落ちる。

 父親は、驚いたように娘を見た。

「な、何を謝ってるんだ!謝るのは俺の方だ。…娘を、刺すなんて…」

「違うでしょ!どうして嘘ついたの?…刺したのは…私って、どうして言わなかったの?」

 志音は、涙ながらに父親に訴えた。