お弁当を食べたあと、形もわからないほど俊敏に流れていく車窓の景色を見ながら葵はそっと口を開いた。

「…ねぇ、志音。疑問に思ってた?私の病気のこと。私と洸くんが何故文通していたかも。」

 志音は一瞬動きが止まり、深くうなずいた。

「…そうだよね。」

 一息間をおいてから、葵は志音の目を見て言った。

「実は私、白血病なんだ…。」

「……うそっ…!」

 葵が普段とても明るい人であるだけに、志音は衝撃を受けた。