そこからの記憶はパッタリと途絶え、気づくと私は自分のアパートのベッドにいた。

あれ?
私は婚活パーティーに出ていた筈なのに…。
何で帰ってきているのだろう。

天井を見つめながらボンヤリ考えていると、ベッドの中で何かがモゾッと動いた。

えっ、何?

恐る恐る横を向くと、とんでもないものが目に入った。

なんとベッドの隅の方で、上半身裸の男性がこちらに背を向け眠っていたのだ。

ヒィィィーーー!
何これ!
どういうこと?

何でこんなドラマみたいなことが起きてるの?
私は必死に思い出す。

そうだ。
私は、婚活パーティーでワインをがぶ飲みして、男の人のところに声をかけに行ったんだ。

その後、どうしたんだろう。

あっ!
もしかして、私が酔っ払ってこの人をお持ち帰りしちゃったのかな?

過去に酔っ払った経験もないからよく分からないけれど、お酒が入ると私でもそういうことができちゃうのかもしれない。

どうしよう。
こんなの、村瀬さんに何て報告したらいいんだろう。

まだ交際も成立してない男の人と、体の関係を持ってしまったなんて。

「うわ~~村瀬さんに軽蔑されちゃうかもしれない!!」

思わず声に出して叫んでしまった。

すると、

今まで背中を向けていた男性が、突然、こちらに寝返りを打った。

「ん? 俺が何?」

ちょっと寝ぼけながら、私にそう呟いた男性は……まさかの村瀬さんだった。