「失礼します」

ドキドキしながら診察室に入ると、
なかなか怖そうな先生が座っていた。


「恵さん、尿検査でも妊娠していることが
わかったので、検査台へどうぞ」

「あっ、はい!」

無駄におろおろしながら、わたしは検査台へ。
座ると動いて、下半身がカーテンの向こうへ
行くのだが、わたしはこの経膣検査が
まあ苦手で仕方ない。

「力抜いて、楽にしてねー」

(ひいいいい)


恐怖を抑え、壁にあるモニターを見つめる。