きみだけに、この歌を歌うよ




『菜々ー、さきに美咲ちゃんとかとコンピューター室行ってるよー?』



ブレザーのポケットにいれていたスマホがブルブルッと振動した。

泣きながらスマホをみると、梓からラインのメッセージがきていた。

梓から未読のラインが3件もある。



『ごめん。先に行ってて。私もすぐに行くから』



もうすぐ1時間目の、情報の授業がはじまってしまう。

泣いてる場合なんかじゃない…。

杏里ちゃんと優乃ちゃんも行ってしまったし、私も早く4階のコンピューター室に行かなきゃ遅刻だ。